「じ ん 、」



あたしの唇はいつもそう呟く


一つ覚えのようになんども繰り返しては


愛しくて、愛しくて、







朝、君の傍で








あたしの頭の中では


羊が数え切れないくらいに並んでいて


白くてもこもこした連中は


無表情であたしを睨むように見つめた





その視線に耐え切れなくて


諦めて少し目を開ける





目の前は肌色


女のあたしより綺麗って言ってもいいくらい


つやつやの肌





売り物の顔に傷をつけないようにそぉっと指を這わせた





「ん...ぅ....」




少し顔を歪めた仁にあわてて指を離した






「ん.........?」


「ごめんね?起こしちゃった??」


「んぅ.....どしたの?」


「眠れなくて、」




仁は寝惚けた顔で体を起こしてあたしの髪をくしゃって撫でた








「子守唄歌ってあげよか?」


「ほんとに?」


「何の曲にしましょう?お姫様?」


「んームラサキ!」


「了解しましたぁ」








少し掠れた仁の歌声が静かな夜に響いて


すっごく心地いい


月の光がカーテンの隙間から漏れて


仁の綺麗な顔を照らした








「満足いたしましたか?姫?」


「うん。やっぱりいい曲」


「でしょ?」


「仁好き、大好き」


「やけに素直じゃん」


「....るさいなっ!いいでしょ?たまには」


「いつもこんなだったらいいけどね」






静かな部屋にただ交互にあたしの声と仁の声が響くことが


なんだかいつも以上に嬉しくて、幸せで、


想ってることが口に出せなくて、溜め込んでた愛しさを


言わずにはいられなくなった



こんなに素直に好きって言えたのは何ヶ月かぶりだった気がするけど





「ね、手繋いで?」


「ん。」





キュって絡めた手は


いつも通り二人とも冷たくて


温めあうことはできなさそうだけど


でも、何よりもあったかかった







「手冷たい」


「仁だって」


「二人して冷え性、だもんな」


「仁が遅刻して、寒空の下いっぱい待たせるからかもよ?」


「え、マジ?」


「嘘、だと、思うけど」


「ごめん、いつも」


「冗談だったんだけど、本気で謝られちゃった」


、いつも文句言わずに待っててくれるから」


「待ってる相手が仁だったら、その時間も楽しいの」



「.....かわいいこと言いやがって」




仁は照れたように俯いたまま、あたしにひとつキスを落とした







「へへっ」


「何いきなり笑ってんだよ」


「言ったら笑うから言わなーい」


「笑わないから、教えて」


「絶対笑わない?」


「うん!」




「幸せだな、って思って」


「ははっ」


「あーやっぱり笑った」


「いや、ちがくて!.....同じこと、考えてたから」


「ほんとに?」



「幸せ、だな」



「幸せ、ね」





仁はニッって笑って、あたしの髪を撫でて、冷たい手を頬にあてた


それからまたひとつ、優しいキスをした







「寝よっか」


「うん」








「「おやすみ」」



















END

























あとがき


こんにちは!作者のゆかりと申します(´∀`*)
えー、また仁です!!はい!!
甘いですよね?結構甘いんじゃないでしょうか??
ゆかりは彼氏とはずっと一緒にいたいタイプなので
一緒に朝を迎えるのがスキなのであります。妄想だけど!
これはね、リアルにあたしの理想だったりします(笑)
曲何にしようか少し迷ったんですよね。
ムラサキって失恋ソング系やし、どうなのかなーって。
でもいろいろ考えてやっぱムラサキにしましたvv
この曲はいい曲ですねー、ほんと。切ないけど!
仁はやっぱりすごいなあ、とひいきしちゃうんですけども。
ドリームはやっぱり仁が多くなっちゃいますね。
いつか、田口さんなんかも書けたらいいなーと思うんですが
彼はキャラがつかめないんですよね、ガンダムヲタのイメージ強くて(笑)
そんな彼もまた、大好きですけど、ね!!
とにかく、みなさんに読んで頂けて管理人は幸せでございます。
本当にありがとうございます(^ω^)
ながくなりましたが、失礼致します。


ランキング、ポチっと押してやってください(´∀`*)ノ

感想、一言だけでも大歓迎です(つ∀


どちらも強制じゃないですが、してくれると嬉しいです♪

















SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO