なかなか暖まらない布団に


嫌気がさしたのはいつ頃だったかな









暗闇










「「愛なんかいらない」」



そう呟いた二人が出逢ったのは


暗闇の入り口









どこか空虚な目をした男と


真実を見据えた女が



自然に惹かれあったのは神様の悪戯だったのかもしれない








星屑さえも眩しいこの暗闇で見付けたのは



脆く残酷な関係










「ねぇ....彼女いないの?」



「いらねーだろ。俺らにはそんなもん」


「そだね」







誕生日も血液型も星座も


そんなことは何も知らない






愛の言葉を囁いたり手を繋いだり


そんなことはしない






ただ


傍にいて


お互いの傷を舐めあうように体を重ねるだけ












「俺コンビニ行ってくるわ」


「じゃぁあたしも行く」















「独りでいるのが怖いの」



出逢ってまだ間もたたない頃



俺の部屋に入り浸るに「ずっと此処にいていいの?」って問いかけたら




こう一言呟いた





「愛することも愛されることも捨てたのにさ、独りじゃ死んでしまいそうに寂しいなんて....情けないね」









なんて冷たい運命だろう



愛する人に捨てられてボロボロになった二人が




鏡のように同じ気持ちを抱いた二人が



出逢ってしまうなんてね












それから俺達は共に生きるようになった



恋人とかそんなものじゃなく





ただ少しの温もりを求めて











「和也何買うの?」



「んー雑誌とー明日のパンとー」



「お菓子買ってい?」



「ん、いいよ」







子供のように無邪気に笑った



出逢った頃と少し変わった




俺もの前ではあんな風に笑えるようになったのかな







「かーずや!!コレとコレどっち……!!」







途中で言葉をプツリと切ったを振り返ると




その目は俺じゃなくガラス張りの壁をジッと見つめていた








…..?」











悪魔が笑った






俺との視線の先には



幸せそうなカップルが手を繋いで歩いていて



鏡のように共存しすぎた俺達は神様に嫌われてしまったみたいだ









俺のかつて愛した人がのかつて愛した人と笑い合って生きていた









「帰ろう。









空気の冷たさが肌に痛い帰り道は



二人手を繋いだ





心の闇を潰すように強く握った



そこらじゅうに溢れる恋人のように手を繋いで歩くのは



俺達には不似合いだけど



神様に刃向かうように指を絡めた










殺風景な部屋に戻って



そのまま抱きしめた



は手を回すことはなかったけれど



俺の肩に頭を乗せた









神様が俺達をこんな風に出逢わせなければ



愛を信じていたあの頃出逢っていたのならば…..










「愛なんていらない」





自分に言い聞かせるようにの耳元で囁いた











不器用な神様は今日も俺達を見下ろしていた














END













あとがき

こんにちは!作者のゆかりでございます!!

えー暗いお話を初めて書いてみました。
実はこうゆうのも好きで、一度書いてみたかったのです。
好まない方もたくさんいるとは思うんですが、
あたしと同じように、好きな方がいてくれたら嬉しいなあ、と思います。
もし、このお話を読んで気分を害してしまった方がいたら申し訳ないです(´д`)
では、読んでくれてありがとうございました!失礼致します。


ランキング、ポチっと押してやってください(´∀`*)ノ

感想、一言だけでも大歓迎です(つ∀


どちらも強制じゃないですが、してくれると嬉しいです♪














SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO