絡み合う体温が


こんなに心地いいなんて


忘れかけていたんだ






お手を拝借






「もしー?電話出れなくてごめんな。どしたの?」



「あ、あのさ....和也.....」


「ん?」


「23日....撮影...だよね.....?」


「うん、そうだけど。何で?」


「えっ....だって和也誕生日じゃない」


「あぁ!そうだった!!」


「ほんとに忘れてたのー?」


「うん、すっかり」


「そっか、仕事で頭いっぱいか.....」


「ごめんな、なかなか会えなくて。でもいつでも考えてるよ?ゆかりのコト」


「ううん、考えてくれてるだけで幸せ」


「へへっ、俺もっ」



「じゃあ、頑張ってね」


「うん」


「おやすみ」


「おやすみ」








ベットに寝転がって目を閉じる


最近瞼がやけに重いのは


疲れのせいなんかじゃなくって


触れられない愛しい人を


頭の中で笑わせるため





きっと、ずっと


会っていないから


君は電話を切ったあとの機械音に紛れて泣いてる


わかってるけど


どうしようもできなくて









「ん.....」




そのままいつのまにか寝てしまったようで


カーテンの隙間から漏れる朝の光で目を覚ました





「まだ6時か....」





起きるのには早すぎる時間だったけど


もう一度寝るのにも気が引けて、空気のこもった布団の中から抜け出した



適当に歌なんか歌いながらシャワーを浴びて


台本をパラパラ捲りながら一通り頭に入ったセリフを確認して


時間に十分間に合うように準備をして家を出る







毎日通うスタジオまでの道には初めの頃感じたときめきなんかも薄れて


初めて通ったとき見つけたアンティークショップやおしゃれなカフェも


今ではあたりまえのように俺の視界を掠った





仕事はほんとに楽しいけど


毎日毎日同じことの繰り返しじゃ


今日が今日なのか、明日なのか、それとも昨日なのか、わからなくなりそうだ





会いたい









「はい、OKです!!今日は終わりです!!」


「お疲れ様でしたー」


「お疲れ様でーす」



「ふー終わったぁ.....亀帰ろうぜ、もう12時じゃん」


「うん。あ、先行ってて」


「早くな」





時刻は0時10分、もう今日は23日になってしまって


仁は一刻も早く帰りたいらしく楽屋を飛び出す


俺も仁の後から急いで楽屋を出た



玄関のガラス越しに外で立ち止まる仁を見つけた






「仁、わりぃ」


「亀、なんかファンいるんだけど」


「!!......!?」


「和也.......」





仁の前には寒さに震える女の子


玄関からは仁の体に隠れて見えなかったけど


その子は俺が今一番会いたい、だった




は震える小さな声で俺の名前を呼んで


悲しそうな表情で俺を見つめた






「お前、コイツになんか言ったの?」


「亀、知り合いだったの?非常識なファンだと思って」


「バカ!!俺の彼女だよ!!あーごめんな、このバカ西が苛めたって?」


「ううん、大丈夫」


「寒かったでしょ?ずっとここにいたの?」


「うん、ごめんねいきなり。どうしても会いたくって」


「ううん、俺も超会いたかった!!」





そう言って凍えるゆかりの体を抱きしめる



久しぶりのの体温に縋りつくように、強く






「あのー俺のこと忘れてない?」


「うるせぇよ、仁」





は俺に回していた手を解いて、俺の腕の中から抜け出そうとする


いいとこだったのに......バカ西のせいで!!






「和也!あのね、コレ」


「え?」




俺の腕から抜け出したは、カバンの中から小さな箱を取り出して俺に差し出す





「誕生日、おめでとう」


「あ、もう今日は23日か.....ありがとー!!」


「また、忘れてたの?」


「うん」







「あー亀今日誕生日かーそっか、おでめとー!!」


「お前は入ってくんなっつーの。俺と帰るからー」


「あーあーそうですかぁ!!ま、お二人で甘い夜を過ごしちゃってくだパイ」


「バーカ!!明日遅刻すんじゃねぇぞ!!」


「わーってるよ!!じゃーなー」






「いいの?仁くん」


「あーいいのいいの。それより今日これ渡しにここまで来たの?」


「うん、一番におめでとうって言いたくって」


「あーもう!!可愛いなー」





少し顔を赤らめて俺の大好きなその笑顔で言う


ほんとに可愛くて、嬉しくて、また強く抱きしめた






「痛いよ和也、ここ外だし」


「じゃあ家帰って、甘い夜を過ごしますかっ!」


「バカっ!!」



「ほら、手」







笑って手を差し出すとは真っ赤な顔して指を絡めた


寒空の下でも手を繋ぐだけで暖かくなって


心地よくて、幸せで、








「手繋いで歩くの久しぶりじゃね?」


「あんまり二人で外行くことってないし、会うのも久しぶりだしね」


「俺らは外で普通にデートできないから、ごめんな?」


「ううん、和也が大好きだよ」


「俺ものこと愛してるよ」



「生まれてきてくれてありがとう」


「どーいたしまして」







疲れたときって甘いモノ食べるといいって言うでしょ?


だから、少し疲れたときにはとの甘い甘い時間


何よりも幸せになれるから















END
















あとがき

こんにちは!作者のゆかりと申します。

亀梨和也様☆19歳のお誕生日おめでとうございます!!
誕生日小説なのに、遅くなってしまって申し訳ありません・・・
何度も言ってますが、とにかくイベント系小説が苦手でしょうがないです。
23日までに書かなきゃ!って思うと全然浮かばなくなってしまうんですよね。
ほんとにだめな管理人ですね(゜д゜)
イベント小説克服できるように頑張っていきたいと思います!
では、読んでくださってありがとうございました!
失礼致します。


ランキング、ポチっと押してやってください(´∀`*)ノ

感想、一言だけでも大歓迎です(つ∀


どちらも強制じゃないですが、してくれると嬉しいです♪














SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO