短気なあたしと照れ屋な彼






「なぁ、なんで？」


「は？何がや。」


「なんで？」


「だから何や？」


「なんで亮はあたしのこと……好きって言ってくれへんのよ」



「お前いきなり何言ってんねん」


「なぁ、なんで？なんで？なんで？なんで？？」


「うっさい！お前は仁か！！」





うーわ、ひどっ！！


せっかくあたしが勇気出して聞いてみたのに


うっさいって…うっさいって…うっさいって…





せっかくのオフやからって彼女が家にきてんのに


さっきから雑誌ばっかり読みやがって！！






あたしを見ろーーー！！！








「亮、あたしもう帰る。」


「は？帰るって今来たとこやん」


「いいから！もう帰る！！」





短気なあたしでごめんなさいねー。


だって、亮はあたしが帰るって言っても、追いかけて来んやろ。



あたしのこと好きじゃないみたいやから。







家に帰ってケータイを開いたらメールが１件着てた。


珍しく亮からのメール


いつもはあたしからばっかりやけど、そりゃ今回ばかりはねぇ…


でも内容は





『何怒ってるん？』



これだけか！！！


もうええわ。


返事せんとこー









ひとりぼっちの静かな部屋に突然の歌声が響く。


亮のソロは亮からのメール専用着信音。





新着メール１件：亮


『来週の日曜俺ん家８時な』



ありゃー絵文字どころか、も。もないし




テンもマルもおらんくなったら仁が泣くって















「亮開けて」



行かんかったら後が怖いし、とりあえず来てやった。


別に来たくなんか、なかったけどさ……





「おう、まぁ入れや」


「おじゃましまーす」





「……亮？あたしの顔なんかついてる？？」


「んや、なんもない」


あたしがソファーに座ったら亮は珍しくあたしの隣に座ってきた。




なんだい亮ちゃん？発情期かしら…



きっとコイツはヤりたいだけなんだ！！



「ちょっとトイレ借りまーす。」



身の危険を感じてとりあえず避難。








……ん？何や？亮のブルーのベットの上に不釣合いなピンクの袋…




『Ｄｅｌｉｃａｃｙ　Ｌｏｖｅｒ』


ここって新しくできたアクセショップ…？


あーあ……見たらあかん物見ちゃった…


でもあたし、見てないふりとかそんなおしとやかな事できひんし。












「亮？？これ…何？？」


「はっ！？お前…なんでそれ……」


「部屋のドア開いてて見てしまったんやけど、やっぱり見たらあかん物やったんや。」


「いや…なんてゆうか…ほら……な？？」


「もぉええって！あたしのこと嫌いやったら嫌いって言ったらええし！！


もっと綺麗でＳでエロさ満点のお姉さんに、ばっちりカッコつけて渡してきたら？？」






コイツの前で泣くとは…一生の不覚！！



あたしひとりで不安になったりこんなに泣いたりして…アホみたい。


初めっから、亮はあたしのことなんか、何とも思ってなかったのに……




「お前何ゆってんねん！？」


「もういい！言い訳せんでいい！！」


「いや、言い訳とかちゃうくて…それお前のやけど…？？」




「………は？？」




「だって、今日誕生日やん？」


「たん…じょう…び…？？」


「なんや、お前忘れてたんか！？」


「今日、何日？？」


「３１日」




「ほんまや…じゃあコレほんまにあたしのなん？？」


「柄にも無く、女の子ばっかでキラキラした店に入ってしもたわ。」





「亮、あたしのこと嫌いじゃなかったん……？？」


「んなわけないやろ。………好きやで」


「………えぇー亮が好きって！！」


「ビビリすぎや。さっきまで泣いてたくせにもう笑っとるし。」





そしたら亮が怪しい笑みを浮かべてあたしに近付いてきた。


頬に残った涙を拭って、俯いた亮は真っ赤で、今まで見たこと無い顔やった。








「誕生日おめでとう」



「ありがとう」












「今日だけじゃなくて、もっと好きって言ってな？」


「無理。もう十分やろ？」


「いいやん、言ってや。」


「いや、照れるやん…」


「んーでもたまには言って！！」



「言葉じゃなくて体で言ったるわ」





「アホかーーー！！」









結局本日は始めに感じたように亮の発情期に振り回されることになってしまいました。














ＥＮＤ

















あとがき

こんにちはー！作者のゆかりです。

初の錦戸亮ドリームです。
関西弁のヒロインにしてしまいました！
関西弁って文字にするとなんか変な感じがしますわー。
普段あたしが喋ってる関西弁だと崩れすぎていて
読んでいるお客様にわかって頂けないかもしれない！
と思いまして・・・これでもわかりやすくしたつもりです(笑)
関西弁は意外と難しい気がします。
関西人なので、もちろん！関西弁は得意ですが、
関西弁で書くと、全体的にギャグになってしまうんです(笑)
ギャグに偏りすぎないよう気を付けつつ、関西弁・標準語ヒロイン共に
錦戸ドリーム、また書けたら良いなと思います(＾ω＾)
では、読んでくださってありがとうございました！
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